2009年05月18日

蜂の子

hachinoko.jpg 最近、ミツバチが消えてしまったと大騒ぎしている。農薬や寄生虫の発生などが疑われているようだが、まだ正確なところは分からない。ミツバチは、花の受粉に関わっているので、農作物にも影響が出ていて大変なことのようだ。
 今は、外で酒を飲むことがほとんどないので知らないが、以前は都内の居酒屋でも、品書きに「蜂の子」と書いてあるところがあった。蜂の子の佃煮だ。長野県や滋賀県などでは家庭でも蜂の子を食べるようなのだが、炊き込みご飯だったり、佃煮だったりはTVで見たことがある。
 むかし、たまに祖母は顔の所々をプクプクと腫らして野良仕事から帰ってきた。私、孫のために蜂の巣を捕ってくるのだった。蜂に刺されることなど何でもないといった様子で。蜂の巣というと、養蜂場の巣箱や、昨今のスズメバチ騒動で報道されているような巣の形を思い浮かべる人もいると思うが、私が蜂の巣と言われてイメージするのは、ハスの花托に似た円錐状のものだ。巣にはもちろん蜂の幼虫が入っている。これを巣ごと囲炉裏にくべると、次第に香ばしい香りが立ちこめてくる。祖母は頃合いを見て巣を取り出し、パンパンと灰を落として私に渡してくれる。私はその六角形の巣のひとつひとつに入っている、炙りたての幼虫を箸でつまみ出して食べるのだ。ずいぶん昔のことだから定かではないが、その風味は焼きトウモロコシの香りと味に似たもののように記憶している。たいへん良質なタンパク質なのだろうが、もちろん祖母はそのような栄養価を考えた訳ではなく、単なる孫のおやつとして私に与えるのだった。
 それから後、今日に至るまでこのような食べ方を見聞したことはないので、この地方特有の風習か、またはここの家系の伝統か、もしくは祖母のオリジナルだったのかもしれない。私が就学前の二年半を過ごした母方の郷里、鹿児島県の農家での話だ。
posted by ヤマガタ・シュンイチ at 00:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 春夏秋冬
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